「ひとつの木」F4号 
 
「6つの薔薇」F6号 
 
「Eglies d’Etigny」SM

「2つの花瓶の薔薇」F8号 
 
「ふたつの木」F4号 

「窓辺の薔薇」F3号 
 
「家々」F3号 
 
「白いマグ」F3号 
 
「バラ」F4号 
  
  
作品に共通する感覚は穏やかで淡い色彩。観る者に優しく語りかけてくる作品です。
それは当然作家の内面性の表れでもあり、作家の求める美への到達点の過程である事
を意味します。

モチーフや色彩が簡略的に構成されている作品の多くは、膨大な経験をもとにデフォ
ルメを重ね、そこに個性を調和させています。山田先生もその道を歩んでいるのです
が、簡略と説明をしたのでは少し言葉足らずですので補足をいたします。

まず対象となるモチーフですが、平面的に面を構成しながらも奥行を感じさせようと
しています。これは、消失点を決めてそこへ集まる線を基準に描くパースペクティブ
(透視図法・遠近法)の技法をとらずに、モチーフの存在感を保たせているということ
です。平面的に描くので抽象性が滲み出てくるのですが、見事なバランスで対象を表
現しています。
 
加えて、画面上で見える色の数もそこまで多くせず、かつモチーフの具象性は保持を
しています。

つまり、一見穏やかで子供の夢に出てきそうな作風ですが、その内容は物凄くストイ
ックな作家の挑戦であり、且つ作家が見出した美への到達点へ向けて実践している画
家独自の手法ということになります。