「小さな花の魔術師」 S20号  
  
「 3時 」 F15号  
  
「ナスタチウム」 F10号  
  
「キッチンスケールと卵」 F3号  

「牡蠣とナベ」 M12号   
  
「赤い靴」 F3号  
  
「orange compote」 F6号  

「帽子屋」 F10号  
  
「deux fromages」 SM
 
「yellow plant」 P15号  
 
「植物図」 M80号  
 
 
様々なモチーフをたくさんの色彩によって描き出される作品は、どれも可愛らしくど
こか詩的な雰囲気をまとっています。静物・風景・人物と、どの対象物を描いても親
しみやすく、難解でもなく、作品を鑑賞するのに肩ひじを張らすことをさせない作風
は、まるで同じ目線に立って描いてくれているかのようです。

何を描いているかはっきりと解る具象表現は、技術や筆力の向上はもちろん、作家の
内面性の成長、つまり絵画としての質の進化を常に求め続けられる厳しい世界です。
伝統を踏襲しつつも固執や偏見にとらわれず、惰性的表現を避けながら自己の脱皮を
続ける自己研鑽は想像も及ばない程の険しい道のりであると想像に難くないです。

ですが、それをこちらに感じさせないのは作家本人の情熱と勤勉さがそのようなもの
をものともせずに、真摯に自身の画道だけを追い求めているからに他なりません。

優しくて少し淡い作品はホッと一息をいれたい場所に最適で、その空間を温かく心地
よいものにしてくれるはずです。